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第一生命、2020年前半に私募REIT組成へ
6月10日週のニュース概観
(写真/iStock)
6月13日、第一生命ホールディングス株式会社(以下、第一生命HD)が不動産アセットマネジメント事業の拡大を目的とした子会社の新設を発表した。
当該子会社は7月1日付で設立され、社名は「第一生命リアルティアセットマネジメント株式会社」、第一生命HDが70%、相互住宅株式会社(以下、相互住宅)が30%の株式をそれぞれ保有する。
そして当該子会社は2020年前半に新規私募REITを立ち上げ、運用を行っていくという。
第一生命HDは既に不動産アセットマネジメント事業に参入済みであり、グループの中核企業である第一生命保険株式会社(以下、第一生命保険)はJ-REITジャパンエクセレント投資法人のスポンサー陣にも名を連ねている。
その上で同社は、グループとして不動産アセットマネジメント事業の幅をさらに拡大させることを狙って私募REIT事業への参入を決断したようだ。
発表によると、2020年前半の組成を予定している私募REITは、中長期的に「住宅70%以上、QOL向上に資する物件30%以下」というポートフォリオで運用していくことを想定している。
「QOL向上に資する物件」とは、第一生命HD発表の資料によると高齢者向け住宅、メディカル施設、教育関連施設、保育所等生活関連施設等を指すという。
既存のJ-REITで言えば、住宅を中心にヘルスケア施設等にも投資を行っているケネディクス・レジデンシャル・ネクスト投資法人のポートフォリオ構成に近い形となりそうだ。
第一生命保険は上述のようにJ-REITジャパンエクセレント投資法人のスポンサー陣に名を連ねているが、当該投資法人は大都市圏のオフィスビルを主要投資対象に据えており、新設予定私募REITと物件取得で競合関係に立つことはないだろう。
したがって今回の第一生命HDの子会社新設と2020年前半に予定している私募REITの組成は、不要な競合を回避しながらグループとして不動産アセットマネジメント事業の幅を広げられる一手と評価できよう。