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2021年03月18日

決算情報拾い読み ケネディクス・レジデンシャルネクスト投資法人

2021年1月期(第18期)決算説明会資料

今回取り上げるのは、2021年3月15日に開示されたケネディクス・レジデンシャルネクスト投資法人(以下KDR)の18期(2021年1月期)決算説明資料です。
資産運用会社は、ケネディクス株式会社が100%出資するケネディクス不動産投資顧問株式会社にて、KDRは2012年4月に上場しております。また、2018年3月には、主な投資対象がヘルスケア施設であるジャパン・シニアリビング投資法人を吸収合併消滅法人とする吸収合併をおこないました。

 

ポートフォリオ投資方針等

ポートフォリオ戦略等
投資クライテリアと立地

KDRは、居住用施設(60%以上)、ヘルスケア施設(30%以下)、宿泊施設(20%以下)を投資対象とする複合型J-REIT。東京経済圏(1都3県の主要都市)への投資比率を50%以上とし、地方圏(政令指定都市を始めとする地方都市)への投資比率を50%以下とする。

第18期のトピックス

1.投資環境

居住用施設については、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、地方経済圏から東京経済圏への人の流れが減少するとともに、東京経済圏内においても、企業によるテレワークの導入等によりこれまで都心偏重であった居住ニーズがより広範に分散する動きがみられるなど、賃貸市場にも変化が生じている。こうした市場環境の変化を受けて、都心の一部の賃貸住宅では稼働率の低下がみられたが、足もとにおいては稼働率の下げ止まりから緩やかな回復基調へと変わりつつある。一 方、賃料の増加については、稼働率の低下を受けて増加率は減少しているものの、依然として賃料の増加傾向は継続している。

ヘルスケア施設を取り巻く環境については、我が国では、男女とも平均寿命において世界最高水準に達し、これまでどの国も経験したことがない超高齢社会を迎え、総人口に占める高齢者の割合及び高齢者人口 が増加する「高齢化」は、今後も続いていくものと予想されている。それに呼応するように、近年において は有料老人ホーム、サービス付き高齢者向け住宅などの高齢者向け施設が増加しているが、高齢者向け施設への需要は引き続き増加していくものと、考えられている。新型コロナウイルス感染症拡大の状況下においても、各施設のオペレーターによる感染防止策を施した安定的な施設運営が継続されている。

宿泊施設については、新型コロナウイルス感染症拡大防止を目的とした海外からの入国制限や国内での移動 制限措置に伴い、宿泊需要が大幅に減少しており、宿泊施設のオペレーターにとっては厳しい運営環境が続いている。今後、新型コロナウイルス感染症の影響が徐々に和らいでいくにつれて、宿泊需要も回復していくことが見込まれるが、コロナ禍以前の状況に戻るには一定の時間を要するものと考えられる。

不動産売買市場については、新型コロナウイルス感染症拡大を機に、当初、一部において不動産投資へ慎重な姿勢を示す投資家もみられたが、国内外での緩和的な金融施策等を背景に、投資家による不動産への投資意欲は回復しており、足もとにおいては活発な取引が行われている。本投資法人の主な投資対象である賃貸住宅については依然として期待利回りは低水準のままであり、厳しい物件取得環境が続いていくものと考えられる。

2. 外部成長

本投資法人は、当期において、追加取得資産を含む以下の居住用施設7物件((取得価格の総額104.81億円)、(KDXレジデンス中延(取得価格8.3億円)、KDXレジデンス市川(取得価格8.4億円)、KDXレジデンス八丁堀(取得価格 30億円)、KDXレジデンス中板橋(取得価格17.36億円)、KDXレジデンス湘南台(取得価格15億円)、コスモハイム元住吉(借地権付建物) (取得価格3.37億円)、KDXレジデンス池袋ウエスト(取得価格22.37億円))、ヘルスケア施設1物件 (ハビリホームグランダ門戸厄神(底地の一部)(取得価格0.63億円))、合計8物件(取得価格の総額105.44億円)を取得した。

当期末(2021年1月31日)現在の保有物件は居住用施設が131物件(取得価格の総額2,002.98億円)、ヘルスケア施設が24物件(取得価格の総額541.91億円)、宿泊施設が2物件(取得価格の総額49.6億円)の計157物件(取得価格の総額2,594.49億円)となった。

3. 内部成長

本投資法人は、居住用施設については、地域・立地及び都市、賃料帯、又はテナント層(法人・個人)等の特性を多角的に考慮することにより選定された、保有不動産の運営・管理を手がけるPM会社と連携のうえ、パフォーマンスの安定化・最大化を目指して運用を実施した。 更に、各地域に密着した有力不動産会社との連携及びPM会社の効率的なリーシング活動の強化を図った。また、個別物件の特性、稼働状況を踏まえた募集条件の設定、「KDXレジデンス」のブランド力を活かした効率的な広告活動の実施、更にはリーシングエージェントの活用、物件ごとの特性に応じた機動的な営業活動を計画的に行った。

居住用施設の具体的な賃貸事業収入の向上に資する施策として、稼働状況が安定・好調な物件については、テナント入替え時の賃料水準の引上げや礼金の収受、更新時の賃料増額、駐車場契約率の向上、携帯電話用アンテナの新規設置等による建物付帯収入の増加を図るとともに、賃貸事業費用の削減として、共用部照明のLED化並びに付帯契約及び募集経費等の一層の見直しを行い、収支向上を図った。また、運用資産の市場競争力の維持・向上を目的として、計画的な大規模修繕工事を2物件、共用部のリニューアル工事、専有部のバリューアップ工事及び設備の更新等を実施した。

当期においても、環境への配慮・取組みとして、共用部へのLED照明導入を引き続き実施しました。また、 外部評価機関による環境認証制度であるDBJ Green Building認証については、当期末(2021年1月31日)時点 で計12物件の認証を取得している。 上記の結果、居住用施設の稼働率は当期末(2021年1月31日)時点で94.5%となりました。また、当期の居住用施設の期中平均稼働率は、94.1%となっている。

ヘルスケア施設の具体的な賃貸事業収入の維持・向上に資する施策として、オペレーターモニタリングの一 環で、各施設に往訪して収支・稼働率を含む施設運営状況の確認、施設管理者等へのヒアリングを実施しているが、新型コロナウイルス感染拡大を鑑み、当期も往訪は極力控えた。但し、可能な方法にて施設管理 者等へのヒアリングを実施し、オペレーターの事業運営能力や経営の安定性等のモニタリングを行っている。また、修繕工事は新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から、感染対策を徹底した上で優先順位を考慮して対応した。

上記の結果、ヘルスケア施設の稼働率は期中平均100.0%、当期末(2021年1月31日)時点で99.9%となっている。なお、ポートフォリオ全体の稼働率は当期末(2021年1月31日)時点で96.2%となった。

宿泊施設については、新型コロナウイルス感染拡大により、国内の出張や旅行・宿泊需要の大幅な落ち込みもあり、今後の経済動向を注視しつつ運用を行っていく。

4. 資金調達の概要

当期において、新規物件の取得資金として新たに101.7億円の借入れを行い、当期中に返済期日が到来した借入れの返済資金として49億円の借入れを行った。

これらの結果、当期末(2021年1月31日)現在の借入金残高は1,382.2億円、投資法人債を含めた有利子負 債残高は1,452.2億円となり、有利子負債の平均残存年数は4.1年、平均金利は0.94%に、また長期負債比率は87.5%、固定金利比率は97.1%に、総資産有利子負債比率(LTV)は51.3%となっている。

 

主要指標(決算説明資料より抜粋)

ケネディクス・レジデンシャルネクスト投資法人決算説明会拾い読み

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