「REITキーマンに聞く!」今回は、プロロジス・リート・マネジメント株式会社 山口 哲 氏にJ-REIT市場とファンドの特徴をインタビュー形式でお話していただきました。
略歴:山口 哲(やまぐち さとし)氏
1990年住友信託銀行株式会社(現、三井住友信託銀行株式会社)入社、2006年トップリート・アセットマネジメント株式会社に出向。その間、不動産開発及びエクイティ投資・信託受託・法人融資、投資法人の上場・IR・企画管理・アクイジションなどに従事。2008年プロロジスに入社、共同事業の組成などを行う事業企画部長を経て、2012年プロロジス・リート・マネジメント株式会社 取締役CIO投資運用部長。
J-REIT市場は、金融、経済、不動産のマーケットにおいて起こった様々な事象が総合的に影響していると思います。
金融マーケットでは、昨年10月の日銀による第2次金融緩和が、まず大きな出来事としてありました。
金利低下、経常的な円安、J-REITの日銀買い入れ枠の増額が起こり、また今年の1月にはEUの追加金融緩和決定がありましたので、世界的に金融緩和の状況にあり、先進諸国の長期金利も低い水準となっています。
経済マーケットでは、日本のGDP成長率や消費者物価指数の伸び率が、足元では政府・日銀が目標とする水準に達していないということはありますが、大手企業の賃金引上げ(ベアなど)の広まりや、雇用に関する指数の改善、企業業績の改善など、日本のマクロ経済にとって明るいニュースが続いており、さらには外国人旅行客が増加傾向にあるなど、日本経済の構造変革につながる経済活動の兆しが見られる状況かと思います。
日本の不動産マーケットは、そのような経済の明るい状況を反映し、かつ金融面における長期金利の低下やマネー・流動性の増加の影響を受け、結果として代替(オルタナティブ)投資資産である不動産の期待利回りが低下し、不動産価格が上昇しているのだと思います。また、経常的な円安によって海外投資家の資金(インバウンド投資)も増加しており、不動産価格の上昇に拍車をかけている一面もあると思います。
J-REIT市場は、そのような不動産実物資産のマーケット状況の影響を受けており、株価(投資口価格)は一昨年から継続的に上昇し、各リートの資金調達もまず好調に実行されています。そうした資金により新規物件取得も可能であり、リートの資産規模が拡大、J-REIT市場全体の時価総額も昨年11月に10兆円を超えるに至りました。
また、J-REIT市場の商品性も拡充されてきています。ヘルスケアが新規カテゴリとして加わり、ネイバーフッド型商業施設に特化した商業リートといったサブカテゴリも増え、また物流リートやホテルリートのカテゴリの規模も成長し、様々な投資家のニーズに応えるようになってきているのと同時に社会的にも大きな役割を果たすようになってきました。またインフラファンド市場創設の制度変更も実現しており、より広い意味での上場投資信託市場は順調に拡大していくと思われます。
PR
PR
1 | 新宿三井ビルディング | 1,700億円 |
---|---|---|
2 | 飯田橋グラン・ブルーム | 1,389億円 |
3 | 六本木ヒルズ森タワー | 1,154億円 |
4 | 汐留ビルディング | 1,069億円 |
5 | 東京汐留ビルディング | 825億円 |
* 当サイトはJ-REIT(不動産投資信託)の情報提供を目的としており、投資勧誘を目的としておりません。 * 当サイトの情報には万全を期しておりますがその内容を保証するものではなくまた予告なしに内容が変わる(変更・削除)することがあります。 * 当サイトの情報については、利用者の責任の下に行うこととし、当社はこれに係わる一切の責任を負うものではありません。 * 当サイトに記載されている情報の著作権は当社に帰属します。当該情報の無断での使用(転用・複製等)を禁じます。