「REITキーマンに聞く!」今回は、プロロジス・リート・マネジメント株式会社 山口 哲 氏にJ-REIT市場とファンドの特徴をインタビュー形式でお話していただきました。
お話したように、各マーケットのポジティブな影響を受け、不動産としての物流施設の市場価格も上昇しているようです。
他の不動産カテゴリと比較した場合の物流施設の大きな違いは、不動産として近年市場の厚みが迅速に増していることが挙げられると思います。日本における物流施設は、長年投資対象として活発に売買されることは少なかったのですが、今ではオフィス、住宅、商業の3本柱と並ぶ投資カテゴリとして認知され、開発や投資運用のプレイヤーも増え、不動産としての流動性が高まっていることから、現在他の投資カテゴリよりも大きな注目を浴びている側面があるように思います。
昨年来の金商法・投信法改正、税制改正、東証適時開示ガイドラインの改正などは、今までJ-REIT業界で議論されてきた様々な事柄の対応策が、業界関係者の方々の努力の結果実現したものであり、J-REIT市場の安定性やさらなる発展に大きく貢献するものだと思います。皆さんご存知の通り、それらの改正には、自己投資口取得やライツオファリングの導入、海外SPCの持分50%要件の緩和、税会不一致の解消、オファリングにおける有価証券届出書の周知期間の短縮などがありました。
こうした形で制度を整えていただいた以上、今後のJ-REIT市場の発展をさらに推進する役割は、これら制度を利用する投資法人や運用会社の方にボールが来ているという実感があります。
さらに今後の制度改革の余地があるとすれば、例えばリートの公募増資における国内・海外比率の規制の緩和などが挙げられると思います。現在の税法によれば、リートは累積ベースで募集投資口の過半を国内で実施しなければなりませんが、市場の安定化のためには金融環境の状況に応じて臨機応変に資金を調達する必要があるのではないでしょうか。そうした意味で、海外での資金調達をより柔軟に認める規制緩和を検討する価値があるのではないかと思います。
ヘルスケアリートといった新しいカテゴリの新規上場はいくつかあるとようですし、厳密に言えばJ-REIT市場では無いかもしれませんがインフラ施設などへ投資カテゴリが広がりながら、またオフィスなどは地方へと投資エリアの広がりもあり、マーケットとしてある程度、順調に拡大していくと思われます。
2015年の第1四半期において、J-REIT市場全体の資産規模が7,000億円超積み上がったということのようですが、今後も同じペースで成長が続くかどうかは別として、当面の間順調に拡大・成長していくと思います。
不動産の売り手候補側の事情に目を移すと、日本版スチュワードシップコードも制定され、上場企業は、投資家が期待する一定の高いROEを達成しなければならないことになりますので、今後の企業動向の流れとしては、バランスシート上に保有している大きくて利益率が低い不動産資産を売るインセンティブが生じる可能性があると思います。
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1 | 新宿三井ビルディング | 1,700億円 |
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2 | 飯田橋グラン・ブルーム | 1,389億円 |
3 | 六本木ヒルズ森タワー | 1,154億円 |
4 | 汐留ビルディング | 1,069億円 |
5 | 東京汐留ビルディング | 825億円 |
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