6月27日週のニュース概観
(写真/PIXTA)
6月最終週の27日週の証券市場は、先週末発生した英国国民投票ショックからの戻りが目立つ展開となった。とはいえ、英国がEU離脱派の勝利を受けてEU離脱に突き進んだとしても、諸々の手続きが完了するのは2018年以降となる。その間、J-REIT市場を含む金融市場は、かつての「ギリシャ問題」同様、英国-EU間の交渉状況に何度も揺さぶられる羽目とならないか気がかりである。
このようにマクロな面では大きな懸念材料が浮上したものの、個々の企業は、企業価値最大化等の目標に向けて着々と手を打っているようである。
6月27日、東証より「マリモ地方創生リート投資法人」の上場承認が発表された(公開価格決定予定日2016年7月21日、上場予定日7月29日)。
当該REITは名称の通り、物件の取得・運用を通じて地域経済の活性化、ひいては政府の政策課題ともなっている「地方創生」に貢献することを目標とし、ポートフォリオの70%以上を地方圏(東京、神奈川、千葉、埼玉以外の地域)所在の物件で構成する方針を掲げている。
スポンサーの株式会社マリモは、全国の地方主要都市を中心として分譲住宅の企画・開発や不動産流動化事業等に取り組んできた実績があり、そこで得たノウハウが地方に軸足を置いたREIT運用に生かせるとしている。また三重銀行やみちのく銀行、東京スター銀行、中国銀行、関西アーバン銀行の地銀5行が「サポート企業」として主に物件情報面での支援を提供する点も見逃せない。
こうした各地銀からの情報サポート、そして地方における不動産証券化事業活性化を謳う政府の動きをマリモ地方創生リート投資法人がどこまで外部成長に繋げられるか、これが上場後の焦点となってこよう。
28日、小売りのJ.フロントリテイリング(以下、J.フロント)が不動産事業の経営効率化を目的として連結子会社同士を合併させると発表した。対象は大丸松坂屋と大丸コム開発で合併期日は今年9月1日、存続会社は大丸松坂屋。
今までグループ内では大丸松坂屋が大型物件開発、大丸コム開発が百貨店周辺の小型物件開発を担当と棲み分けを図ってきた。しかし、都心部商業施設等の開発環境が厳しさを増す中、J.フロントは経営の効率化や経営資源の集中が不可避として今回の決定に踏み切った。
今回の合併を通じて不動産開発力の抜本的強化を狙うJ.フロントの不動産資産額は、2016年2月期時点で約6,638.2億円(連結貸借対照表記載の建物及び構築物(純額)と土地、建設仮勘定の額を合計)、総資産に占める割合は約65.1%にのぼる。これを今後も保有し続けるのか、REIT等でオフバラ化を図るのか注目される。
30日、京阪ホールディングス(以下、京阪HD)が私募REIT「京阪プライベート・リート投資法人」の運用開始を発表した。
資産規模約226億円での運用開始となった京阪プライベート・リート投資法人だが、ポートフォリオのタイプは組入物件の用途を限定しない総合型で、資産運用会社は京阪HDの100%子会社京阪アセットマネジメントが担当する。京阪HDは今回の運用開始が不動産事業の拡大、グループの企業価値最大化に資するものと期待を示している。
6月27日週は以下の1件の物件動向が報じられた。
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1 | 新宿三井ビルディング | 1,700億円 |
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2 | 飯田橋グラン・ブルーム | 1,389億円 |
3 | 六本木ヒルズ森タワー | 1,154億円 |
4 | 汐留ビルディング | 1,069億円 |
5 | 東京汐留ビルディング | 825億円 |
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