主催:中古住宅市場活性化・空き家問題フォーラム実行委員会
基調講演では、日本総合研究所理事長にして、政府の様々な会議・委員会にも民間メンバーとして参加している高橋進氏が日本経済全般について説明をされました。内容は多岐にわたりましたが、その中で以下の点を強調していたのが印象的でした。
・中国の低迷は慢性的で、日本経済はもう外需に頼れない。
・内需活性化の切り札は、日本国内にストックされた金融資産、不動産のフロー化。
・日本企業は現預金を投資や従業員への賃料に回さず、退蔵しがちではないか。
・住宅市場改革、コンパクトシティ推進のために「市街化禁止区域設定」といった都市計画の枠組み見直しが必要ではないか。
時間的には10分程度と非常に限られた枠でしたが、国土交通省の谷脇土地・建設産業局長が中古住宅流通活性化のために政府がこれまでに行ってきた施策と今後の目標をコンパクトに説明されました。その説明では、「平成37年(2025年)に中古住宅流通市場の規模を現状の4兆円から8兆円に倍増させる」という目標が注目されます。
パネルディスカッションは、コーディネーターを業界紙「住宅新報」特別編集委員・論説主幹の本多信博氏が務め、以下の専門諸氏がパネリストとなって行われました。
・リニュアル仲介株式会社 代表取締役 西生建氏
・横浜市立大学 国際総合科学部教授 齊藤広子氏
・住宅金融支援機構 理事 望月久美子氏
・リクルート住まい研究所 所長 宗健氏
中古住宅市場の現状や課題、改善案、空き家の活用事例や空き家ビジネスの今後の展望等で活発な議論が行われましたが、主な内容を以下に箇条書きでまとめました。
【中古住宅市場】
・中古住宅市場と言っても、順調に活性化しつつある都会とそうでない地方を分けて把握、議論する必要がある。
・中古住宅市場の活性化にはサブプライムローンの整備を含めた低所得層向けのサービスの開拓が重要ではないか。
・日本の中古住宅市場では売り手と買い手を仲介する不動産業者しか専門家が関わっていない。これを欧米のようにもっと多くの専門家が関与する方向に変える必要があるのではないか。
具体的には、中古住宅の性能を専門家が中立的な立場から評価し、その評価結果にもとづいて売り手と買い手がそれぞれ別個の不動産業者から支援・助言を受けながら取引を進めるという形にすることで、市場の透明性や取引への安心感を醸成できるのではないか。
【空き家問題】
・あくまで「空き家問題」は地域衰退の原因ではなく、地域衰退の結果。
・ベッドタウンのゴーストタウン化リスクから目を背けるべきではない。
・活用できる空き家、活性化できる地域とそうでない空き家、地域の切り分けは不可避。
・総務省調査による「空き家800万戸」説は過大な見積もりの可能性がある。
・空き家を活用していくには、借り手と貸し手をマッチングが重要だが、そのための枠組み作りには地方公共団体との連携が不可欠。
地方を中心とした空き家問題、中古住宅市場の改善・整備、地方における雇用の創出、新たな住宅需要の掘り起こし、官民連携を如何に組み合わせていくかに解決のカギがありそうです。
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1 | 新宿三井ビルディング | 1,700億円 |
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2 | 飯田橋グラン・ブルーム | 1,389億円 |
3 | 六本木ヒルズ森タワー | 1,154億円 |
4 | 汐留ビルディング | 1,069億円 |
5 | 東京汐留ビルディング | 825億円 |
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