今回は、積水ハウス投資顧問株式会社 井上 順一氏に業界動向やファンドの特徴に関してインタビュー形式でお話していただきました。
正確な統計データをみたわけではありませんが、不動産マーケットを見回すとオフィスビルと住宅がマーケットボリュームの中心になっていると思っています。
その点がスポンサーの積水ハウスの開発事業にオフィスビル、住宅が多い理由のひとつではないかと思っています。ホテルについては、後発での参入とみられることもありますが、インバウンド需要の増加に伴うマーケットの拡大がこれからも期待できる成長分野であり、まだまだ伸びていく可能性があります。また、今回組入れたホテルのテナントはスポンサーが自ら誘致しています。非常に競争力の高いホテルブランドをスポンサー自らが誘致できる点も当リートにとっては有利と考えています。
住宅を投資対象とするリートについては、すでにスポンサー傘下にありましたので、当リートはオフィスビルを中心にホテル、商業施設を組込む投資方針を定めたということです。
はい。単体のホテルを取得することも将来的にあり得えると考えています。
当リートは外部成長の推進による資産規模の拡大を成長戦略の柱としています。
物件取得先についても、これまで通りスポンサーパイプラインを柱とする方針です。
上場来から資産規模の拡大を最大の目標とし、これまで取り組んできましたが、最初の目標の資産規模2,000億円の達成については、今年の5月に実現できました。これからは1,700億円程度に積みあがったスポンサーパイプラインを活用することで、次の目標である「資産規模3,000億円の達成」に向けて取り組む所存です。ただ「資産規模3,000億円」も通過点の位置付けですので、達成以降も更なる資産規模の拡大にフォーカスをあてていく考えです。
当リートの物件取得はこれまですべてスポンサーから行ってきましたが、取得姿勢としてはスポンサー外からも行っていく方針です。
ただ、今の不動産売買市場が非常に過熱状況にあり、価格・クオリティの面を考えると、スポンサー外からではなくスポンサーから取得するこれまでの方針を継続した方が、マーケットからの評価が得られる時期ではないかと考えています。
当リートはポートフォリオ全体の平均築年数が浅いだけでなく、各物件の築年数が総じて浅いという点がありますので、入れ替えの必要性自体を感じていません。
入れ替え戦略については、今後資産規模が拡大するにつれ、将来的に取り組む課題とも位置付けています。
当リートは上場時に海外不動産を組入れていく意向を示していましたが、昨年、国内不動産中心の外部成長姿勢を明確化しました。
その背景として、国内外の機関投資家から海外物件の組入れに否定的な声が多く、法整備の進展状況も考慮し、海外不動産をJ-REITに組み込むことは時期尚早と判断し、国内不動産を中心としたポートフォリオを目指すこととしました。
今回の変更は、投資家の理解が得られなかったという点が大きく影響しているため、今後投資家の不安が払拭されるなど海外不動産に対する状況に変化がみられれば、可能性は低いとは思いますが、将来的に海外物件の組入れを検討することもあるかもしれません。
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1 | 新宿三井ビルディング | 1,700億円 |
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2 | 飯田橋グラン・ブルーム | 1,389億円 |
3 | 六本木ヒルズ森タワー | 1,154億円 |
4 | 汐留ビルディング | 1,069億円 |
5 | 東京汐留ビルディング | 825億円 |
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