12月19日週、26日週のニュース概観
(写真/PIXTA)
12月19日、ケネディクス株式会社(以下、ケネディクス)が海外子会社を通じてマレーシアREITへのスポンサー参加契約を締結したと発表した。
発表によると、ケネディクスのシンガポール子会社Kenedix Asia Pte. Ltd.がさらにその100%子会社である KDA Capital Malaysia Sdn. Bhd.を通じてマレーシアREITのAmanahRaya Real Estate Investment Trus(以下、AmanahRaya REIT)の投資口15%、そしてAmanahRaya REITの資産運用会社AmanahRaya-REIT Managers Sdn. Bhd. の株式49%をそれぞれ取得するという(取得日は2017年1月中を予定)。
マレーシア証券取引所に上場するAmanahRaya REITは資産規模約11億マレーシアリンギット(262億円相当)で14物件を保有しており、LTV(簿価ベース)は約38.1%(数字は当該REITの2015年年次報告書による)。ポートフォリオのタイプは総合型であるが投資対象として教育施設(大学)を含み、実際に大学キャンパス2物件を保有している点がJ-REITには見られない特徴である。
ケネディクスは今年10月にはタイでのREIT組成・運用も視野に入れて同国不動産開発企業の株式を取得しており、今回のマレーシアREITへのスポンサー参加とあわせて東南アジア圏での事業拡大を加速させる考えを示している。
なお既に海外REITへスポンサー参加している日本企業としては、三井物産株式会社が挙げられる(タイ1銘柄、シンガポール1銘柄の計2銘柄)。
12月20日、株式会社東芝(以下、東芝)が青梅事業所土地の売買契約を野村不動産株式会社(以下、野村不動産)と締結したと発表した。
発表された契約内容は、東芝は現在PC及びテレビの開発拠点として利用している青梅事業所の土地を今月27日付で野村不動産に約100億円で売却するというもの。売却対象となった土地の面積は約12万㎡で、圏央道「青梅IC」まで約3km、JR青梅線「小作駅」まで約1kmという立地。
2015年7月に多額の利益水増しが発覚した東芝は、同年12月に「新生東芝アクションプラン」を発表して財務体質の強化と資産利用の効率化を図り、その一環としてNREG東芝不動産株式会社株式の放出といった不動産関連資産の再編・活用を野村不動産と連携しながら進めてきた。今回の土地売却もその延長線上の行動だが、これが野村不動産マスターファンド投資法人のパイプライン増強に繋がってくるか注目される。
12月22日、三菱地所株式会社(以下、三菱地所)がオーストラリア・シドニー市での大型複合施設開発計画に参画すると発表した(三菱地所としては初のオーストラリア進出)。
開発計画の概要は、シドニー市中心部、現代美術館やサーキュラーキー駅に近い敷地約4,600㎡に高さ248mの大型ビルを建設し(着工2018年予定)、2021年に竣工を迎えた後はオフィスや商業施設、公共施設等からなる複合施設として活用するというもの。
計画には三菱地所以外に現地不動産・建設企業Lendlease、中国の大手保険企業中国平安保険集団の傘下企業平安不動産が参画する(当該計画への出資比率は三菱地所30%、Lendlease20%、平安不動産50%)。このうち中国平安保険は、日本での物流施設開発への投資等、不動産投資に積極的な姿勢を見せてきた企業でもある。先進国を中心として世界的に低金利が続く中、中国や韓国、台湾の大手保険会社が安定的な高利回りを求めて不動産投資を拡大しつつあるという指摘もあり、彼らと海外の経済成長を取り込もうとする日系不動産企業とが手を組んで投資・開発を行う事例も今後増えていきそうである。
12月19日週、26日週の物件開発動向だが、主だったものとして以下の2件(いずれも物流施設)の発表があった。
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1 | 新宿三井ビルディング | 1,700億円 |
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2 | 飯田橋グラン・ブルーム | 1,389億円 |
3 | 六本木ヒルズ森タワー | 1,154億円 |
4 | 汐留ビルディング | 1,069億円 |
5 | 東京汐留ビルディング | 825億円 |
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