6月19日週のニュース概観
(写真/PIXTA)
5月12日に報道が出て以来、世間の耳目を集めていた日本郵政株式会社による野村不動産株式会社(以下、それぞれ日本郵政、野村不動産)買収騒動だが、6月19日、両社から正式なリリースがあり、当該買収案件の破談が確定した。
買収報道が出て以来、想定される買収額の大きさは勿論、日本郵政グループが保有する不動産と野村不動産が有する開発・運用ノウハウの結合という面からも大きく注目された案件であったが、実を結ぶことなく流れてしまう結果となった。
今回の破談に係る両社のリリースを見ると、日本郵政のリリースは当該買収案件について「現時点において検討を行っている事実はありません。」と記しているのに対して、野村不動産のリリースでは「日本郵政による当社株式の取得について、検討して参りましたが、今般、当該検討を中止することになりましたので、お知らせ致します。」と微妙な食い違いが見られ、両社の意識が上手く噛み合っていなかったことを感じさせる記述となっている。
気になるのは今後の日本郵政の動きだが、グループ全体で2.7兆円超の不動産(建物、土地、建設仮勘定の合計額。数字は2016年3月期有価証券報告書による)を如何に活用するかが収益力向上のカギを握っている状況に変化はない。従って自グループ内での人材育成・運用ノウハウの蓄積に要する時間をM&Aで節約しようとしても不思議ではない状態は依然継続中だといえよう。
昨年7月に三菱地所投資顧問株式会社が設立した物流特化型のMJ物流リート投資法人(未上場)だが、名称変更が6月21日に判明した。変更後の新名称は「三菱地所物流リート投資法人」。当初の名称と比べて一目でスポンサーが分かる点が特徴である。
当該投資法人については「2017年内に上場予定」という報道もあり、このことから知名度のあるスポンサー名を前面に押し出して投資家への訴求度向上を狙ったと推測される。
最近公募価格割れが続くJ-REITのIPOだが、三菱地所という強力なスポンサー、堅調な物流施設需給という好材料を持つ三菱地所物流リート投資法人のIPOがいつ行われ、どのような結果になるか、今から注目される。
6月19日週の物件動向だが、主だったものとして以下の3件があった。内訳は用途別ではホテル、住居(学生マンション)、物流施設。地域別では北陸、東北、九州といずれも地方での開発である。
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1 | 新宿三井ビルディング | 1,700億円 |
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2 | 飯田橋グラン・ブルーム | 1,389億円 |
3 | 六本木ヒルズ森タワー | 1,154億円 |
4 | 汐留ビルディング | 1,069億円 |
5 | 東京汐留ビルディング | 825億円 |
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