6月26日週のニュース概観
(写真/PIXTA)
6月26日、三菱地所株式会社(以下、三菱地所)がアジア・オセアニアを投資対象とする不動産ファンド事業を開始すると発表した。
発表によると、同社はアジア圏を投資対象とする不動産ファンド運用会社CLSA Real Estate Partners と組んでPan Asia Realty Advisors を設立し、不動産ファンド運用事業を展開するという。
当面はオーストラリアとシンガポールのオフィス、商業施設を投資対象とするが、資産規模の拡大に応じて投資対象とする国・地域、アセットタイプを拡大していく予定。
三菱地所は既に欧州、米国で不動産ファンド運用事業を開始しており、今回のアジア・オセアニア地域での同事業開始により、世界的に不動産投資が活発な地域を網羅する体制が整ったことになる。
6月28日、物流施設開発を始め多くの不動産開発を手掛ける大和ハウス工業株式会社が、物流施設用ロボット「Butler®(バトラー)」の国内販売・保守・導入サービスを行っているGROUND株式会社と資本業務提携すると発表した(以下、それぞれ大和ハウス工業、GROUND)。
まず資本面での提携だが、GROUNDが資金調達額10億円の第三者割当増資を行い、大和ハウス工業がこれに応じる。
次に業務面での提携だが、両社は互いが持つ物流施設管理システムやロボットを組み合わせ、より少ない人数でより効率的な運営を可能とする次世代型物流施設「Intelligent Logistics Center」を早期に開発していくという。
e-コマース市場の拡大を背景に活発な供給の続く物流施設だが、大和ハウス工業とGROUNDが開発する「Intelligent Logistics Center」が先導する形で高機能化が一層加速していけば、今後、物流施設の新規開発はより多額の資金を要するようになり、開発後に発生する減価償却費も増加することになるだろう。このことは、ファンドを通じた開発資金調達の増大、そして減価償却負担を嫌がる物流施設所有者のオフバラ意欲を高めることにも繋がるとみられる。
また、ロボットや情報システムの活用で物流施設の省人化、無人化が進行した場合、これまで物流施設開発で重視されてきた「労働者を集めやすい立地か否か」という点が着実に意味を失っていくとみられる。これは既存物流施設にとって強みが一つ消えることを意味する一方、従来の判断基準では無視されていた土地が新たな開発適地として浮上してくる可能性を高めることになるだろう。
6月29日、株式会社日本政策投資銀行がGE エナジー・ファイナンシャル・サービスと組んで太陽光発電事業ファンドを組成したと発表した。
発表によるとファンドの募集金額は750億円(最大で900億円に拡大する場合有)で、運用期間は2018年から2021年、久米南メガソーラー・プロジェクト等の太陽光発電事業に投資するという。
当面はオーストラリアとシンガポールのオフィス、商業施設を投資対象とするが、資産規模の拡大に応じて投資対象とする国・地域、アセットタイプを拡大していく予定。
同日付で日本生命保険相互会社が当該ファンドに100億円の投資を行うと発表したが、現在東証のインフラファンド市場に上場している3銘柄の資産規模(取得価格ベース)と比較すると、太陽光発電を投資対象とする案件としては如何に巨額の資金が動いているかが窺えよう。
【東証インフラファンド市場 上場銘柄資産規模(取得価格ベース)】
・タカラレーベン・インフラ投資法人 約210億円
・いちごグリーンインフラ投資法人 約100億円
・日本再生可能エネルギーインフラ投資法人 約80億円
―――――――
合計 約390億円
今後の当該ファンドの動向はもちろん、運用終了後の投資物件の行先も非常に興味深い案件である。
6月26日週の物件動向だが、主だったものとして以下の2件があった。いずれも関東での物流施設開発である。
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1 | 新宿三井ビルディング | 1,700億円 |
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2 | 飯田橋グラン・ブルーム | 1,389億円 |
3 | 六本木ヒルズ森タワー | 1,154億円 |
4 | 汐留ビルディング | 1,069億円 |
5 | 東京汐留ビルディング | 825億円 |
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