9月19日週のニュース概観
(写真/PIXTA)
9月21日、インヴィンシブル投資法人が投資主優待制度の導入を発表した。
優待の内容は、シェラトン・グランデ・トーキョーベイ・ホテル、そして株式会社マイステイズ・ホテル・マネジメントが運営する「マイステイズ」ブランドのホテルについて利用料(ベスト・アベイラブル・レート)を10%割り引くというもの。
当該優待の対象となるのは、基準日(各決算期末日)時点で投資口を10口保有していると投資主名簿に記載・記録された投資主。初回基準日は2017年12月31日で、投資主名簿への記録・記載は投資口の取得日から3営業日後の営業日に行われることから、初回優待を受けるには2017年12月26日までに投資口10口を取得しておく必要がある(2017年12月は29日が東証の最終営業日となるため)。
投資主優待については、換金の手間を嫌う機関投資家が実施に否定的で、これを受けてJ-REITの中には投資主優待の廃止や簡略化に踏み切ったところもある。一方で優待を換金する必要のない個人投資家は投資主優待を好意的にとらえる傾向が強く、今回のインヴィンシブル投資法人の動きは、個人投資家への訴求を狙ったものと推測される(なお同投資法人の最新(2017年6月末時点)の投資主構成(投資口保有数ベース)では個人投資家のシェアは8.6%)。
9月22日、東証がインフラファンド「カナディアン・ソーラー・インフラ投資法人」の上場を承認した。
上場予定日は2017年10月30日で初期ポートフォリオは物件数13件(全て太陽光発電所)、パネル出力合計72.7MW、資産規模(取得予定価格ベース)304.38億円という構成。上場インフラファンド銘柄としては上場時から最大の資産規模(取得予定価格ベース)となる(次点はタカラレーベン・インフラ投資法人の209.47億円)。
投資法人名から窺えるように、スポンサーは太陽光発電大手のカナディアン・ソーラー・プロジェクト株式会社。2017年8月末時点での同社の太陽光発電所保有状況を確認すると、稼働済みが17物件、パネル出力数合計103.8MW(カナディアン・ソーラー・インフラ投資法人取得予定のもの含む)。建設中のものが5物件、パネル出力数合計131.6MW。この他に開発計画進行中のもの13物件、パネル出力合計398.6MWが控えている。
上場後の外部成長を考えると、当面潤沢なスポンサーパイプラインはカナディアン・ソーラー・インフラ投資法人の強みと言えそうだ。
9月22日、Oneリート投資法人が東京都府中市で所有しているJタワービルの信託受益権を売却すると発表した(譲渡予定日は2017年10月6日)。
同投資法人にとっては上場以来の旗艦物件である一方、稼働率の急落といった問題もあったJタワービルだが、積極的なリーシング活動が奏功して2017年2月末以降は稼働率99.8%という高水準を維持していた。売却価格は252.2億円で9億円前後の売却益が出る見通しだが、Oneリート投資法人は10月10日に満期を迎える借入金約88.4億円の返済に回す考えを示している。
2015年12月に新規スポンサーとしてみずほ信託銀行を迎え入れて以来、2016年9月の上場以来初の公募増資実施、2017年6月の投資法人名称の変更と変化の歩みを着実に進めてきたOneリート投資法人だが、旧SIA不動産投資法人時代からの旗艦物件を手放して今後どのようなポートフォリオに生まれ変わるのか、注目される。
9月19日週の物件動向だが、特に目立つものはなかった。
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1 | 新宿三井ビルディング | 1,700億円 |
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2 | 飯田橋グラン・ブルーム | 1,389億円 |
3 | 六本木ヒルズ森タワー | 1,154億円 |
4 | 汐留ビルディング | 1,069億円 |
5 | 東京汐留ビルディング | 825億円 |
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