FISCO REIT REPORT
1. 2018年5月期の業績概要
平和不動産リート投資法人の2018年5月期(第33期)決算は、営業収益8,803百万円(前期比49.7%増)、営業利益5,305百万円(同107.5%増)、経常利益4,815百万円(同135.1%増)、当期純利益4,815百万円(同152.8%増)であった。おおむね2018年5月8日発表の修正予想に沿った数字であったが、期初予想に比べて、営業収益は5割弱、また利益は倍以上の上振れとなった。それは、広小路アクアプレイス(名古屋市中区)を、鑑定評価額を大幅に上回る価格で譲渡した結果、売却益が収益、利益を大きく押し上げたためである。好決算を背景に、分配金は2,300円/口と前期比246円増とし、5期連続でスポンサー変更後の最高値を更新した。分配金支払い後、譲渡益の残額を内部留保し、将来の分配金支払い等の原資として活用する方針である。
期中平均稼働率は97.70%と、引き続き歴史的高水準を維持した。特にオフィスの稼働率は98.74%で、テナント構成が比較的分散していることは、今後も安定稼働に寄与すると考えられる。レジデンスの稼働率も97.08%で上場来最高水準を記録した。また、オフィス、レジデンスともに賃料の増額改定が進展し、NOI利回り(実質利回りとも言う、(年間賃料収入-諸経費)/(物件価格+諸費用)×100で計算)はスポンサー変更後の最高値の5.34%を付けた。
2. 財政状態
2018年5月期の財政状態は、総資産181,306百万円(前期末比1.4%増)、純資産95,172百万円(同3.0%増)、有利子負債78,667百万円(同0.7%減)であった。主要金融機関との良好な関係のもと、平均調達金利は15期連続して低下し0.863%になった。資金調達多様化のために発行した第3回無担保投資法人債(1,000百万円)も調達コストの低減に貢献した。また、有利子負債の平均調達年数は6.89年とさらに長期化が進んだ。鑑定LTV比率(期末の鑑定評価額(購入額+含み損益)に対する有利子負債の割合)は42.0%と良好な水準を維持している。同REITでは、同比率40~50%を標準水準として維持し、上限を65%に設定しているが、鑑定評価額の増加に伴って低下が続いており、借入余力が拡大したことで、より機動的な物件取得が可能になったと言える。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 国重 希)
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1 | 新宿三井ビルディング | 1,700億円 |
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2 | 飯田橋グラン・ブルーム | 1,389億円 |
3 | 六本木ヒルズ森タワー | 1,154億円 |
4 | 汐留ビルディング | 1,069億円 |
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