3月19日週のニュース概観
(写真/iStock)
3月20日、不動産を賃借で調達してストレージ(レンタル収納スペース)やオフィスとして活用しているエリアリンク株式会社(以下、エリアリンク)が、ストレージに特化した私募ファンドの組成を発表した。
保有不動産の手頃な利活用手段としての注目、そして日本の手狭な住宅事情もあって着実な成長の続くストレージ業界(2017年時点で約657億円、2020年には約778億円まで拡大するとみられている)だが、投資対象としてストレージに特化した私募ファンドはこれが日本初。
当該ファンドは「合同会社ハローストレージファンド1号」と命名され、信託受託者等を務める株式会社りそな銀行やアセットマネジメント業務を担当する株式会社長谷工不動産投資顧問と協力しながら、20億円相当の資産を5年にわたって運用するという。
日本に先駆けてストレージが普及し、投資対象としても認知されるようになったアメリカでは、上場REITの時価総額上位にストレージ特化型REITが名を連ねるまでになっている。エリアリンクは引き続き土地付きストレージへの投資とその出口戦略としてファンド化、REIT化を積極的に進めていく姿勢を示しており、今後の動きに関心が集まる。
3月23日、日神不動産株式会社(以下、日神不動産)が同社をメイン・スポンサーとする私募REIT「日神プライベートレジリート投資法人」の運用開始を発表した。
当該投資法人は名称に「レジ」とあるように住居(社宅や学生寮を含む)を投資対象とした私募REITで、昨年12月22日に設立された。スポンサーとしてはメインの日神不動産を含めて以下の5社が参画している(カッコ内の数字は当該投資法人の資産運用会社「日神不動産投資顧問株式会社」への出資比率)。
・日神不動産(60%)
・株式会社アトリウム(13%)
・株式会社アセットリード(13%)
・株式会社ジェイ・エス・ビー(9%)
・株式会社アンビション(5%)
今回の発表によると、日神プライベートレジリート投資法人は保有物件数15件、資産規模約170億円で運用を開始し、東京、千葉、神奈川、埼玉の住居を中心に物件取得を進め、早期の資産規模500億円到達を目指すという。
ファンドバブルの崩壊やリーマン・ショックで景気が沈滞しきった2010年に産声を上げた私募REITは、その後の不動産市況の持ち直し、好転を受けて銘柄数、運用資産規模を着実に伸ばし、2017年12月末時点で資産規模合計は2.4兆円を超え、銘柄数も20を突破するに至った。概して順風満帆で進んできたとも言える私募REIT業界だが、不動産市況のピークアウト感も強まる現在、今後予想される市況の調整期(私募REITとしては初めて迎える調整期でもある)をどう乗り越えていくか注目したい。
3月19日週の物件動向だが、以下の案件が発表された。
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1 | 新宿三井ビルディング | 1,700億円 |
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2 | 飯田橋グラン・ブルーム | 1,389億円 |
3 | 六本木ヒルズ森タワー | 1,154億円 |
4 | 汐留ビルディング | 1,069億円 |
5 | 東京汐留ビルディング | 825億円 |
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