2021年1月期(第35期)決算説明会資料
今回取り上げるのは、2021年3月16日に開示されたと東急リアル・エステート投資法人(以下TRI)の35期(2021年1月期)決算資料です。
資産運用会社は、東急株式会社(出資比率100%)の出資する東急リアル・エステート・インベストメント・マネジメント株式会社にて、TRIは2003年6月に上場しております。
東京のオフィス市場は企業の働き方の変化への対応やコスト削減の影響から、空室率が上昇傾向にある。出社率低下によるオフィスの縮小・解約に加えて、2020年に竣工した新築ビルへの移転に伴う二次空室の影響などにより、2020年における東京都心5区のオフィス賃貸市場は、平均空室率が上昇し、平均賃料は下落している。
商業施設賃貸市場は、Go Toトラベルの一時停止や緊急事態宣言再発出による人流の減少の影響から厳しい状況が続いている。広域商圏の大型SC、都心のファッションビルなどでは外出自粛傾向が強まり、消費者心理は弱含んでおり小売業販売は総じて弱含み傾向にある。 不動産売買市場については、金融緩和政策が継続するなか、投資総額に対する新型コロナウイルス感染症拡大の影響は比較的小さく、収益が相対的に安定している物流施設と住宅の人気が高まっている。
期待利回りについては、低下傾向が続いていたオフィスや都心商業施設、住宅は横ばい、ホテルは上昇、物流施設は低下している。
当期においては、2020年9月28日に、OKIビジネスセンター5号館を取得するとともに、OKIシステムセンター(底地)の共有持分40%を譲渡し、2021年1月20日に、スタイリオフィット武蔵小杉を取得した。
当期末現在の本投資法人が保有する33物件の期末算定価額の合計は3,067.8億円となった。
東急株式会社等との協働(コラボレーション)により収益の安定性及び成長性を実現し、内部成長を図る。そのために企業業績や消費の動向を見据え、中長期的にテナント企業、来館者から選別される施設運営を目指す。具体的には、物件グレードに合致した適切かつ戦略的リニューアルや、中長期的視野に立ったリーシング活動の実施により、賃料水準の維持・向上を図る。また、管理費用及び追加設備投資についても適切なコスト・コントロールを行ってゆく。
現在の投資環境判断として、不動産売買市場は不透明な状況ではあるものの、首都圏の不動産価格が高止まりの状況が続いていることから、「長期投資運用戦略(サーフプラン)」における「売却・入替期」にあたり、首都圏のうち、渋谷・東急沿線の不動産価格は、スポンサーである東急株式会社において、渋谷駅周辺開発に続き、広域渋谷圏(渋谷駅半径2.5km圏内)や東急沿線の開発が継続することから、上昇することが期待される。これらにより、東京都心5区地域及び東急沿線地域を重点的な投資対象地域としている本投資法人の保有物件の含み益は増加している。
当期においては、有利子負債の長期固定金利化及び返済期限の分散化を図るため、当期に返済期限が到来した長期借入金74億円について借り換を行い、OKIビジネスセンター5号館の取得費用の一部として長期借入金により24億円を調達した。また、手元流動性の拡充による財務信用力の確保を目的として、総額180億円の借入枠(コミットメントライン)を設定しており、当該借入枠による短期借入金として、OKI ビジネスセンター5号館及びスタイリオフィット武蔵小杉の取得及びその付帯費用の一部に充てるため、合計で82億円を調達し、期中に返済期限が到来した短期借入金の返済資金の一部に充当するため投資法人債30億円を 発行し、自己資金10億円と合わせて期中に短期借入金を40億円返済している。当期末現在の有利子負債残 高は1,016億円となった。
主要指標(決算説明資料より抜粋)
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1 | 新宿三井ビルディング | 1,700億円 |
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2 | 飯田橋グラン・ブルーム | 1,389億円 |
3 | 六本木ヒルズ森タワー | 1,154億円 |
4 | 汐留ビルディング | 1,069億円 |
5 | 東京汐留ビルディング | 825億円 |
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