2008-03-25
不動産を取り巻く環境が大きく変化しています。
米国発のサブプライムローン問題が直接の引き金にはなっていますが、不動産へ対する金融姿勢の変化が不動産価格と不動産業界を揺るがしています。
最近では、(株)レイコフという不動産企業の破綻が発表された事で、不動産運用業務(アセットマネジメント業務)を展開している他の企業への波及も心配されています。
今後の波及やREITへの影響について、私にも問い合わせが来ていますが、REITについては、クレッシェンド投資法人がレイコフ投資顧問に売却予定の「FLEG目黒」「レグルス東葛西」の2物件の売買が成立しない可能性が高くなり、平成20年5月期の決算予想利益を10%下方修正しました。
このような個々の事象も気にはなりますが、不動産私募ファンドを設立してその資産運用業務によって事業を拡大してきた企業が退潮することで、不動産が新たな時代に移るという事の方が大きな問題です。
日本が不動産バブル崩壊によって大きく傷付いた後に、不動産価格を持ち直してきたのは、REIT及び不動産私募ファンドの活発な動きによってです。
この不動産ファンドの勢いが一転する事で、日本の不動産がどのようになるのかを改めて見通す必要が生じています。
勿論、既に不動産価格は下落局面に入っていますが、私募ファンドによって抱えられた大量の不動産が一時期に市場へ放出されれば、大きな混乱を生じます。
その行方によっては、金融機関が再び多額の不良債権を抱えてしまう可能性もありますので、ソフト・ランディングの施策が必要となります。
現時点で、最大の不動産の買い主体はREITですが、恐らく将来の趨勢としてもREITになるであろうと考えられます。
REITの外部成長力は昨年実績で1兆円を超えていますので、この取得能力が維持乃至増強出来れば、約10兆円と言われている私募ファンドの保有不動産を一定度吸収が出来ます。
私募ファンドの保有物件にはクオリティの劣る物件もかなり含まれていると考えられますので、これらの質的に劣る物件の値下がりは仕方ないものの、REITのクオリティに達している物件については、REITが取得する事で一定のラインで止める事が必要です。
相対的に優良な不動産の価格が大きな下落さえしなければ、バブル崩壊のような混乱は回避出来ますので、今が新たな不動産施策のタイミングではないかと考えています。
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1 | 新宿三井ビルディング | 1,700億円 |
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2 | 飯田橋グラン・ブルーム | 1,389億円 |
3 | 六本木ヒルズ森タワー | 1,154億円 |
4 | 汐留ビルディング | 1,069億円 |
5 | 東京汐留ビルディング | 825億円 |
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