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「REITキーマンに聞く!」大和ハウス・アセットマネジメント株式会社 加藤 康敬 氏
「REITキーマンに聞く!」今回は、大和ハウス・アセットマネジメント株式会社 加藤 康敬 氏にJ-REIT市場とファンドの特徴をインタビュー形式でお話していただきました。
――平均築年数9.6年となりますと、そろそろ賃料が落ち始める感じになりますが?
たしかに築年数が経ちますと、競争力面では落ちてきますので、今後の課題となっております。
そこは内部成長の部分にかかわってくると思っております。
内部成長としては、運用会社は、スポンサーサポートを通じて、スポンサーから専門的知識を有する社員を招き、平成25年4月に社内にバリューアップ工事や修繕の実施を統括する「建設技術グループ」を設立しました。現在は3名体制となっております。
本投資法人が保有する物件の費用の削減や競争力強化を目指した活動を行っております。
各物件担当のアセットマネージャーが、片手間でバリューアップ工事を行うのではなく、専門の部署が行っております。このほかエンジニアリングレポート(ER)を取得時にとっておりますが、数年経ったものは更新しており、現地実査時に立会ったり、建物診断を通じて長期修繕計画の立案に着手し、これまでに、136物件の長期修繕計画をERとは別に運用会社が独自に立案したというのは意義があることと思っております。
――他のREITでも建設の知識を持った人材を持ち始めているということでしょうか?
そうだと思います。
やはり、建物の運営・管理という面では、PM、BM任せだけという訳にはいかないと思っておりますので、対等に対応できる体制というのは必要かと思います。
入居者の退去に伴う原状回復工事は、投資法人の収益に大きな負担になります。適切な工事を行う、施工範囲を見直す、単価を精査する等PM会社任せにせずに、AM会社の各担当のアセットマネージャーや建設技術グループの社員が現場に行き、工事の内容や範囲を精査、見極めを行っております。
また大規模修繕は、計画的に行うことが大事となりますので、積極的に保有物件の競争力維持、向上に努めております。