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「REITキーマンに聞く!」ジャパン・シニアリビング・パートナーズ株式会社 藤村 隆氏
今回は、ジャパン・シニアリビング・パートナーズ株式会社 藤村 隆氏にヘルスケア業界と ファンドの特徴をインタビュー形式でお話していただきました。
――ヘスケア施設の減価償却は大きく、そのために利益超過分配が必要になると思いますがいかがでしょうか?
特に地方の物件などは建物比率が高くなりますので、減価償却の割合が高くなります。利益超過分配というは、そのような面で合理的な考えであると思います。ただし減価償却費相当額の内部留保については、再投資も含め、運用状況に応じた色々な活用方法があると理解しています。
――ヘルスケア施設の修繕などは、REIT側からもしくはオペレーター側から提案されていくのでしょうか?
両方向から提案があります。
私自身日本全国の介護施設、アクティブシニア施設など300施設以上のいろんなタイプのものを見学してきました。その中でいろんな経営者の方との話をしてきた中で、「他との比較においてこうしたほうがいいのではないか?」という提言できることがあるかと思います。一方でオペレーターからハード面に関して、なんとか改善したいと相談を受けることもあります。
取得済みの物件に関しては、両方向で戦略的にリノベーション、バリューアップを図っていくことが必要と認識しています。
そこは、ヘルスケアREITの数少ない内部成長性があるところです。
一般的にヘルスケアREITは内部成長性が無いと語られがちですが、バリューアップに伴うキャッシュ・フローの増加はあり得ると思います。
――資産規模の目標などはありますでしょうか?
対外的な発表はしておりませんが、格付を取得し、資金調達手法を多様化することを目指しています。また上場時点では、ヘルスケア特化型REITとしては資産規模でNo.1でありますので、引き続きその状況は維持していきたいと思います。
――ヘルスケアREITで資産規模1,000億円になると、REITでのヘルスケアの存在感がでてくるかと思います。しかし投資適格物件が少ないイメージですが、いかがでしょうか?
投資家の方や格付け機関の方の話をしますと、1,000億円の資産規模になると1人前のREITと認められるような印象です。
またマーケットに物件が少ないというイメージに対しては、そんなことはなく十分実現可能かと思います。
スポンサー会社の系列などもありますし、ORE戦略による全方位外交になりますので、特定のスポンサーに偏ってないなどの特徴もあり、流動化ニーズや開発ニーズが取り込めるので、外部成長に関する手応えは日々感じております。