REIT注目記事
特集!インフラ投資法人「タカラレーベン・インフラ投資法人」インタビュー
今回は、タカラアセットマネジメント株式会社 取締役投資運用部長 髙橋 衛氏にインフラファンド市場とファンドの特長に関してインタビュー形式でお話していただきました。
――太陽光発電所のメンテナンスは一般の不動産と違った大変さがあると思うのですが、そのあたりはどのように対処されているのでしょうか。
メンテナンスは、パワコン・変電設備等については専門家に長期修繕計画を算出していただき、修繕計画に従い毎期修繕積立金を積むことで対応しております。
日々のO&M業務(オペレーション&メンテナンス)についても外部委託することにより、発電・故障の状況等を常にモニタリングできる体制を構築しております
――財務戦略についてはいかがでしょうか。
本投資法人は財務の健全性を重視しており、LTVの水準は現状で52.1%です。上限60%を目処として安定的にコントロールしていく方針です。
また、J-REITとの最大の違いでもあります借入元本の返済があります。J-REITですと通常、3~5年程度で借入金の借り換えを行っていき、自ら繰り上げ返済をしない限り、基本的には借入元本は減りません。他方、当投資法人は17年で借入元本がゼロになる計画で借入をしております(現状、借入期間は10年)。予定通り運用を続けていけば、固定買取価格の期間終了20年を待たずして17年で借入金が返済完了です。
この借入余力をうまくマネジメントすることにより、成長戦略を立てていきます。
また、こうした姿勢のおかげ等で、日本格付研究所(JCR)からは長期発行体格付A-、格付け見通し「安定的」という評価を頂くことができました。上場インフラファンドとしては初の格付け取得で、先行するJ-REITの各銘柄と比べても遜色ない評価を頂けたことは嬉しいですね。
――最後にIRや投資家とのコミュニケーションへの取組みついてお聞かせください。
まず内外の機関投資家に対しては、IPOや公募増資、そして決算時にそれぞれ説明やコミュニケーションの機会を持ちました。
個人投資家に対してはIRフェアや証券会社主催の説明会に参加した他、オンライン説明会を実施してIR活動を行ってきました。
――発足してまだ新しい上場インフラファンド市場ですが、投資家の関心はいかがでしょうか?
国内外、そして機関か個人かを問わず投資家の関心は高いという印象です。
ただ、海外投資家は冒頭でも触れた導管性の有効期間やインフラファンドマーケットの現状の流動性等から慎重な姿勢を示しているところが多いように感じています。
また、利益超過分配(資本の払い戻し)について、CAPEXや借入返済を重視して実施をあまり喜ばない機関投資家、素直に分配金として受け取れる額が増えるので実施を歓迎する個人投資家という志向性の違いも明らかになってきました。
こうした各投資家の属性の違いを踏まえてバランスをどう取っていくか、色々悩ましいところですが、本投資法人としては、持続性と財務等の健全性を重視して利益超過分配(資本の払い戻し)は抑え目にしつつ、それでも他のインフラファンド等の分配金利回りに決して見劣りしない点を本投資法人の強み、特徴として訴求していきたいと考えています。
――本日は、大変お忙しい中ご対応いただき、ありがとうございました。
今回インタビューにご対応いただきましたタカラアセットマネジメント株式会社 髙橋 衛様です。