「REITキーマンに聞く!」双日リートアドバイザーズ株式会社 渾大防 清 氏にJ-REIT市場とファンドの特徴をインタビュー形式でお話していただきました。
略歴:渾大防 清(こんだいぼう きよし)氏
88年 株式会社三菱銀行(現 株式会社三菱東京UFJ銀行)入社。2003年三菱証券株式会社にてREIT業務に従事し、その後ドイツ証券株式会社にて不動産投資銀行グループ責任者を経て、13年12月より双日リートアドバイザーズ株式会社 取締役副社長兼財務企画本部長。
2012年半ば、アベノミクスが世の中に発動される前にJ-REITマーケットの上昇局面が始まり、2012年後半から2013年にかけてJ-REIT市場に上場した銘柄のIPOはほぼ成功したと言えるでしょう。このマーケットの勢いは、そのまま2014年も継続されていたように思っています。日本リート投資法人は2014年に上場いたしました。そして、今回、初めての公募増資(PO)を実施しました。2月に入り、J-REITマーケットは調整局面を迎えましたが、無事予定通り、条件決定をすることができました。
直近の市場において一番注目している市場の大きな変化は、J-REIT全銘柄時価総額合計額が増えたことです。
2014年7月にJ-REIT資産規模が12兆円に達し、11月には、時価総額が10兆円を超えて、その後、11兆円まで達しました。現状、調整局面を受け時価総額は10兆円台ですが、マーケット規模自体は急拡大しています。また、特に、資産規模と時価総額が僅差になってきていることに注目しています。
これは、もちろん最近2年間の新規上場銘柄が12銘柄あることがマーケット規模拡大に貢献していることもありますが、時価総額が資産規模に近づいているのは、老舗銘柄の投資口価格の上昇部分が非常に大きく影響していると考えています。投資口価格が全体的に上がった理由は、まんべんなく投資家がJ-REITを買い始めているのではないかと、ここ1年で強く感じています。
このマーケットの勢いがいつまで続くのかは、株式市場を見ながら判断していくことになると思います。これまでのところ、①日経平均が上がって、J-REITも上がる場合、②日経平均が上がって、J-REITが下がる場合、③日経平均が下がって、J-REITが上がる場合、④日経平均が下がって、J-REITも下がる場合、この4ケースの中では、①と③のケースが比較的多かったように感じており、結果、日経平均よりJ-REITインデックスの方が上昇率は上回っています。
また、海外でネガティブイベントが起きた場合(NYダウ下落の影響で日経平均が落ちた場合など)でも、意外とJ-REITマーケットは持ちこたえていたように記憶しています。つまり、リスクオフの局面で、マーケットでは、比較的リスクの高い株を売ってその分J-REITを買うという傾向が見られ、J-REITが底支えされている理由の一つかなと感じています。
冴えない状況になった時には、いかんともしがたいことはありますが、今回の規制緩和は、冴えない状況時の傷口を浅くし、回復を促進する効果はあるかと思います。2007年、2008年のころは、サブプライムローンから発生した不動産業界全般に対する不安感が高まり、金融機関の引き締めが始まりました。引き締めの対象として、不動産業界はどうしても注目される存在であり、多くの新興の不動産会社が存続するのに困難な状況に陥りました。その影響で多くの新興系不動産会社がスポンサーをするJ-REITの名前がマーケットから消えてしまいました。
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1 | 新宿三井ビルディング | 1,700億円 |
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2 | 飯田橋グラン・ブルーム | 1,389億円 |
3 | 六本木ヒルズ森タワー | 1,154億円 |
4 | 汐留ビルディング | 1,069億円 |
5 | 東京汐留ビルディング | 825億円 |
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