FISCO REIT REPORT
なお、2016年12月5日に公表された物件の入れ替え(2017年2月1日予定)の概要は以下の通りである。
【譲渡予定資産】
名称:アーバンパーク代々木公園
譲渡予定価格:1,100百万円(取得価格:875百万円)
【取得予定資産】
名称:アーバンパーク護国寺(旧名称:ジョイテル護国寺)
取得予定価格:1,460百万円(優先交渉契約における最低購入価格:1,460百万円)
同REITは、2020年までに資産総額2,000億円を目標として掲げている。2016年8月までに最低購入価格総額165億91百万円(6物件)の優先交渉権を獲得している(この内の1物件(アーバンパーク護国寺)は2016年12月5日公表の物件入れ替えにおいて取得を決定した物件である)。アセットタイプの内訳は、住宅2物件(アーバンパーク護国等を含む)、ホテル2物件、オフィス1物件、物流施設1物件であり、これら6物件はいずれもスポンサーグループが所有する物件である。同REITとしては投資口価格の推移を見ながらエクイティファイナンスを伴う物件取得のタイミングを計りポートフォリオに組み入れたい考えだ。
同REITの魅力は、低いP/NAV(時価総額÷時価純資産)と高い分配金利回りである。第1期末(2016年7月末)時点において、P/NAVは0.82倍、分配金利回りは6.8%(第2期の一口当り予想分配金の3,046円を2倍して、期末時点の投資口価格87,900円で除したもの)とJ-REIT平均と比べて大きな乖離があった。過小評価の要因は、上場間もないための実績の少なさや知名度の低さであると推察され、認知が高まれば是正される局面があるだろう。投資口の公募価格は100,000円/口(上場初値99,100円)であったが、2016年6月初旬よりBREXITにかけて切り下げ、以降は東証REIT指数を下回る動きとなっていた。しかしながら、同REITによれば、第1期の決算発表(2016年9月14日)以降に国内外の数多くの機関投資家に対して行った決算IRにおいて、同REITの実績、今後の成長戦略及びスターアジアグループにおける同REITの位置付けなどの説明の結果、徐々に同REITに関する理解が進んだこと、また、2016年12月5日に公表した物件の入替えによる一口当たり分配金の上方修正なども相俟って、足元での同REITの投資口価格は東証REIT指数を上回る推移を見せている(上場来安値86,400円(2016年7月8日)、足元97,600円(2016年12月30日)、終値ベース)。
同REITは2016年12月5日に「投資主利益最大化のための戦略」を公表しており、同資料によれば、今後も一口当たり分配金の維持向上に向けた様々な施策を展開することが期待される。
■Key Points
・東京圏を中心としたアセットタイプ分散型中規模物件ポートフォリオを構築
・第1期は段階的に資産規模を拡大し基盤確立(合計61,493百万円取得)、第2期、第3期と順調に利益成長、巡航分配見込む
・短期的には優先交渉権のある資産16,591百万円の組み入れ、中期では2020年までに資産総額2,000億円を目指す
・物件を入れ替えることにより、ポートフォリオ強化し、含み益を顕在化させ売却益を分配する決定をするなど、投資主価値の最大化のために様々な施策を検討し、実行する運用力が魅力
(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田 秀夫)
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1 | 新宿三井ビルディング | 1,700億円 |
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2 | 飯田橋グラン・ブルーム | 1,389億円 |
3 | 六本木ヒルズ森タワー | 1,154億円 |
4 | 汐留ビルディング | 1,069億円 |
5 | 東京汐留ビルディング | 825億円 |
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