今回は、スターアジア投資顧問株式会社 加藤 篤志氏に業界動向やファンドの特徴に関してインタビュー形式でお話していただきました。
最初に挙げたいのがスポンサーです。
スターアジア不動産投資法人のスポンサーとなっているスターアジアグループは、もともとは各種債権を投資対象とするファンドとして出発しました。日本市場へも当初は実物不動産投資ではなくCMBS等の不動産を裏付け資産とする債権投資という形で参入しています。良好なリレーションシップを築いていた投資家の支えもあり、その後リーマンショックという荒波を乗り越え、不動産市況に回復の兆しが見えてきた2011年頃から現物不動産投資に乗り出し、2016年にスターアジア不動産投資法人を上場させるに至っています。
最も大きい影響としては、バランスシートを左右両方から見て投資戦略を構築できるという点が挙げられます。
J-REITを含めた一般的な不動産投資家は、バランスシートの左側を念頭に投資を行います。つまり資産にどのような不動産を加えるか、或いはSPCに投資する場合もそのSPCが資産にどんな不動産を持っているかという点から投資戦略を構築します。
一方、我々は、投資対象のバランスシートの右側、負債の方も注視しています。これにより、単純に物件を取得した場合と、物件を保有している会社等が発行した債券に投資した場合とで、どちらがよりリスク・リターンのバランスが優れているのかを比較して投資戦略を練り上げていくことが可能です。スポンサーが債権投資家として日本で活動を始め、リーマンショックを乗り越えていく過程で経験してきた様々な取引のノウハウが大いに活用されている形です。
スターアジア不動産投資法人は、オフィス、商業施設、住宅、物流施設及びホテルを投資対象とする総合型REITです。現時点で実際に投資しているアセットタイプはオフィス、住宅、物流施設、ホテルの4種類です。
地域別での投資方針としては、東京圏への集中投資を掲げており、取得価格ベースで7割以上を東京圏へ集中的に投資する方針を謳っています。現在は取得価格ベースで保有物件の8割以上が東京圏に所在しています。これは、東京圏が日本の経済文化活動の中心であり、人口が最も集積していることから、オフィス、商業施設、住宅、物流施設及びホテルに対するテナントのニーズは高く、テナントの代替性という観点で収益の安定性を見込めると考えているためです。
また、取引市場の裾野が厚く、相対的に流動性が高いと言われているミドルサイズの物件、取得価格で言いますと100億円未満の物件で現在のポートフォリオを構成している点も特徴として挙げられます。結果として、金額ベースで見た場合、ポートフォリオの規模に対して物件数が多い状態になりますので、特定の物件の収益に依存してしまうリスクを避けることができますし、ポートフォリオ収益への貢献度が低くなることが想定されるような物件でも、ミドルサイズの物件であれば、手早く放出することが可能であると考えています。
完全に排除しているわけではありません。人口の集積、ひいては需要、収益性の底堅さが期待できる都心5区に限定し、取得価格100億円以上のラージサイズアセットを将来的に取得して収益のアンカー役とすることも検討しています。
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1 | 新宿三井ビルディング | 1,700億円 |
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2 | 飯田橋グラン・ブルーム | 1,389億円 |
3 | 六本木ヒルズ森タワー | 1,154億円 |
4 | 汐留ビルディング | 1,069億円 |
5 | 東京汐留ビルディング | 825億円 |
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