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2017年12月07日

「REITキーマンに聞く!」 スターアジア投資顧問株式会社 加藤 篤志氏

今回は、スターアジア投資顧問株式会社 加藤 篤志氏に業界動向やファンドの特徴に関してインタビュー形式でお話していただきました。

スターアジア投資顧問株式会社 加藤 篤志氏

――貴投資法人では住宅と物流施設を「安定性重視」アセット、オフィスとホテルを「成長性重視」アセットと位置付けていますが、両者のポートフォリオ上の比率を現状から動かすことは考えていますでしょうか。

現在のポートフォリオは「安定性重視」アセットが52%程度、残りが「成長性重視」アセットとなっています。これを固守しようとは考えていません。
収益の多様性、分散化という観点から「1つのアセットタイプでポートフォリオの50%以上を占めるようにはしない」という方針の下、投資主にとって最善を尽くせるよう柔軟にポートフォリオ構成を考えています。

――今後2、3年というタイムスケールで重点的に取得したいアセットタイプはありますでしょうか。

現状では賃料のボラティリティが低い「安定性重視」アセットと位置づけている住宅と物流施設の取得により着実に収益を獲得していきたいと考えています。

――資産取得に関して、貴投資法人がJ-REIT初のメザニンローン債権取得に踏み切った背景についてお聞かせください。

上場当初より、メザニンローン債権投資はスターアジア不動産投資法人の一つの特徴として謳ってきました。
その背景には、そもそも債権投資ファンドとして発足したスポンサーを擁する我々にとって、メザニンローン債権はスポンサーに蓄積されているノウハウを活用できる投資対象であること、また、現有の不動産ポートフォリオの償却後利回りを越える利回りが期待できる投資対象だという判断があります。
そして今回、我々の理念である投資主利益の最大化に資すると判断し、ホテルを保有するSPCが発行するメザニンローン債権(劣後社債)の一部を4億円で取得しました。
ただし、メザニンローン債権は優先的に弁済が行われるシニアローンよりもリスクが高い資産であり、さらにポートフォリオ内でどれだけ保有するかについては投資法人の導管性要件及び上場規則上の上限も考慮する必要があります。
そこで我々は、メザニンローン債権が総資産に占める比率は最大5%まで、万が一債権がデフォルトしても投資法人が裏付け資産の取得を検討できるよう、我々の投資基準に合致する不動産等を裏付け資産とするものを投資対象とする、といった様々なルールを設けた上で、このようなルールに合致するメザニンローン債権に絞った取得を行うようにしています

――メザニンローン債権取得に対する投資家の反応はいかがでしょうか。

スターアジア投資法人は上場当初から「メザニンローン債権も投資対象とする」と謳っていましたが、それに対しては否定的な声よりも寧ろ「いつ投資するのですか?」と投資を後押しして下さるような質問が機関投資家のみならず個人投資家からも寄せられていました。今回の取得でそうしたご質問の声にお応えできたと考えています。

――現状では総資産の最大5%までメザニンローン債権を取得できるということで、まだ取得枠に余力があるように思えるのですが、今後もメザニンローン債権への投資は継続的に行っていくお考えでしょうか。

今回取得したメザニンローン債権には「スターアジア・メザニンローン債権投資シリーズ1」という名称を付けています。この「シリーズ」の後に付く数字が増えていくよう、リスクを抑えながら、現有の現物不動産ポートフォリオの償却後利回りを超えるリターンが期待できるようなメザニンローン債権の取得を続けていきたいと考えています。

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