個別レポート報告
キーワード2「世界経済」
――加藤篤志氏
OECDは2016年から2018年まで世界全体では3%台の緩やかな成長が続くと見ている。トランプ政権という不確定要素はあるが、EUの景気は底を打ったようで、中国もまだ景気後退に対して財政支出で対応する余裕がある。こうした基本的に堅調な世界経済の中で日本経済も緩やかに成長し、それに応じて不動産需要も堅調に伸びていくのではないか。
――菅沼通夫氏
基本的に堅調に推移すると見ているが、トランプ政権以外の不確定要素として、中国の資本流出激化とその対応策として金融引締めに走る可能性には注意したい。
――堀野郷氏
リーマンショックから、いやその前から世の中は経済上の都合を最優先する「経済第一」で動いてきた。それがここにきて「政治第一」「宗教第一」にギアが変わったのではないか。その中で、トランプ政権下のドル高と政治・宗教面で安定している日本の資産への注目が重なった場合の不動産急騰というシナリオも頭に置いてよいのではないか。
キーワード3「少子高齢化と人口減少」
――吉川健太郎氏
当然不動産の利用方法にも大きな影響があり、単に需要全体が減るだけではなく、ヘルスケア施設はもちろん、外出の負担が大きい高齢者がネット通販利用を活用することで物流施設の需要がさらに高まるといったことも考えられる。したがってREITとしてはどんな物件を組み込むのかについてよりフレキシブルさが必要とされるようになるだろう。
――菅沼通夫氏
人口は単に減るだけではなく、地方中核都市や東京に集中する度合いを強めている。今後選ばれる立地とそうでない立地の差がますます鮮明になっていくだろう。
――藤原寿光氏
日本の不動産全てが需要、値上がりを期待できる時代ではなくなった。一方で個人を含めた投資家の多くが不動産に対して値上がりありきのキャピタルゲイン狙いから安定的なインカムゲイン重視になってきたことは商品特性上、J-REITに追い風だろう。
今後について言えば、小売りと物流を一体的に運用するオムニチャネルの動きが物流施設や商業施設の需要、業績に与える影響に注目している。
キーワード4「J-REITの今後」
――吉川健太郎氏
国の「2020年ごろまでにREIT等の資産規模30兆円到達」目標を追い風としつつも、財務や収益面での健全性には十分気を付けて投資家の声に応えていきたい。
――菅沼通夫氏
健全性を重視するのはもちろん、多種多様な不動産から安定的な収益を引き出して投資家に還元していきたい。
――堀野郷氏
不動産の色々な面のうち、堅実で手堅い部分だけを集めたのがREITという商品だと考えており、その堅実さを大事にしながら投資家の信用を拡大していきたい。
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1 | 新宿三井ビルディング | 1,700億円 |
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2 | 飯田橋グラン・ブルーム | 1,389億円 |
3 | 六本木ヒルズ森タワー | 1,154億円 |
4 | 汐留ビルディング | 1,069億円 |
5 | 東京汐留ビルディング | 825億円 |
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