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タカラレーベン・インフラ投資法人
FISCO REIT REPORT
タカラレーベン Research Memo(1):太陽光発電設備に投資し、安定的に魅力的な分配金を提供
■要約
タカラレーベン・インフラ投資法人(以降、同投資法人)は、国内初のインフラ投資法人であり、太陽光発電設備等への投資を通じて、投資家へ安定的に魅力的な分配金を提供している。スポンサーのタカラレーベンの有する発電設備の運営ノウハウやブランド力、資産運用会社であるタカラアセットマネジメント(株)(以降、同資産運用会社)独自のネットワーク等の活用により、今後も成長を続ける計画だ。FIT制度に基づき、将来にわたって安定的なキャッシュフローと収益を産み出し、投資家に対して安定的に分配金を支払う仕組みを確立していることは同投資法人の大きな魅力である。
1. 2018年11月期は期初予想を上回る増収増益決算で分配金も増額
同投資法人は、2018年6月1日付で4物件(取得価格4,930百万円)の太陽光発電設備等を取得し、2018年11月期末時点の保有資産合計は、25物件(価格合計30,242百万円)、総パネル出力は69.5MWとなった。この結果、2018年11月期の業績は、営業収益1,493百万円(前期比23.9%増)、経常利益488百万円(同17.7%増)であった。空梅雨の影響により実績発電量が想定発電量を超過したことで、各利益は期初予想を10%以上も上回った。2018年10月と11月には九州電力が需給バランスを維持するために、太陽光発電の出力制御に踏み切ったが、同投資法人がタカラレーベンから受領する最低保証賃料は固定されていることから、業績への影響はなかった。
2. 2019年5月期以降も業績上振れの可能性
2019年5月期は営業収益1,468百万円(前期比1.7%減)、経常利益457百万円(同6.4%減)、2019年11月期は営業収益1,423百万円(前期比3.1%減)、経常利益407百万円(同11.0%減)を予想している。5月期の収益、利益予想が11月期より高いのは、例年5月期の方が11月期より発電量が多いためである。今後も実績発電量の超過や発電所の新規取得に伴い、業績はこれまでと同様に予想を上回る可能性があるだろう。
3. 外部成長と内部成長が成長の原動力
同投資法人では、中長期的に新たな発電所取得による外部成長が可能である。すなわち、スポンサーでは2021年3月末には250MW稼働を目指しており、同投資法人の現在の発電量の3.6倍に相当することから、潜在成長力は大きいと言える。加えて、タカラレーベングループ以外の第三者からの太陽光発電設備等の取得も目指す。また、同投資法人では、既に保有する発電所の稼働率や賃料の上昇、管理コストの削減などを通じた内部成長も図る。さらに、同投資法人の基本理念に沿って、社会貢献活動にも注力する方針だ。
4. 分配金の安定した高さが魅力
同投資法人は投資主還元策として年2回、半年ごとに高水準の分配金の支払いを予定している。1口当たり予想分配金(利益超過分配金を含む)は2019年5月期3,631円、2019年11月期3,271円を予定し、2019年1月21日の投資口価格107,400円に基づく分配金利回りは年換算で6.43%である。同投資法人では、これまで毎期、期初の予想を上回る分配金を実現しており、2019年5月期以降も上方修正への期待が大きい。また、同投資法人が(株)日本格付研究所(JCR)よりA−(Aマイナス:安定的)との格付を取得していることは、投資家の安心感につながるだろう。
■Key Points
・2018年11月期は発電所の増加に加え、空梅雨の影響により発電実績が期初予想を上回り、大幅な増収増益であった
・今後も実績発電量の超過や発電所の新規取得に伴い、期初予想を上回る決算が続く可能性が高い
・スポンサーの開発資産は2021年3月末には250MWに達する計画で、中長期的な成長余力は大きい
・分配金は2019年5月期3,631円、2019年11月期3,271円を予定し、安定的な利回りの高さが魅力である
注:予想は2019/1/15予想
出所:決算短信よりフィスコ作成
(執筆:フィスコ客員アナリスト 国重 希)
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