<ハイライト>
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<調査目的及び手法>
J-REIT(不動産投資信託)は、市場創設から19年が経過しました。2020年12月現在、62銘柄が上場、市場全体の時価総額は13.7兆円になります。
不動産・金融・商社・電鉄・住宅・デベロッパー・ホテル・小売・投資ファンド等、多種多様の企業が参入し、不動産を保有・運用する主体として不動産市場を牽引する存在に成長しました。
投資対象も、オフィスビル・賃貸住宅・商業施設に加え、社会経済の変化とともに、物流施設・ホテル・ヘルスケア施設と、様々な用途の不動産に拡大しています。
REITが着実な運用実績を積み重ねた結果、投資家にとっても、不動産賃貸事業に特化し安定した収益を裏付けに高い分配金利回りを持つ金融資産として広く認知されてきました。
しかし2020年は新型コロナウイルスの感染拡大によって、REITの投資口市況が3月に大きく崩れる事態が発生し、REITの投資環境も大きく変わりました。
このように先の見通しが難しい市場環境のなか、J-REITポータルサイト「JAPAN-REIT.COM」は、個人投資家がコロナ禍においてJ-REITの商品性及び投資環境の変化をどう捉えているのか、その実態把握と今後の市場動向予測、またJ-REIT市場の更なる拡大を目的とし、個人投資家を対象にアンケートを実施しました。
<アンケート結果>
1. 回答者の属性 (n=501)
回答者の属性は、従来と変わらず「40代~70代の男性」が中心で、個人投資家の主要層となっている。J-REIT個別銘柄の投資経験は96%と高い割合。
<性別> |
<年齢> |
<J-REIT個別銘柄の投資経験> |
2. J-REIT投資を始めた理由は?(n=投資経験あり483、延回答数2,558)
REIT投資を始めた理由は、回答者の85%が「分配金利回りの高いこと」を挙げ、他の選択肢を圧倒する。また「少額で不動産投資」「換金性・流動性の高さ」も多く、不動産を投資対象とする金融商品の利点が高く評価されている。
3. 銘柄選択の基準は?重要視することは?(n=投資経験あり483、延回答数2,557)
回答者の89%が、銘柄を選択する上で「分配金利回り」を判断基準としており、REITに投資する上で最重要視する指標として確立している。
また「運用資産の用途」が昨年よりランクアップし、「NAV倍率」や「投資口価格の安定」を上回った。コロナ禍の影響で資産用途による業績の明暗が大きく分かれている背景から、投資家が資産用途を選別する傾向が強まっていると見られる。
4. 現在のJ-REIT投資額は?金融資産全体に占める割合は?(n=投資経験あり483)
REIT投資額は、最も比率の高い「100万~500万円」が26%と昨年より変化はないが、1,000万円以上の層がいずれも昨年より増加している点から、既存投資家がREITを買い増しする動きが窺える。
一方、REIT投資額の金融資産全体に占める割合は「20%未満」とする層が4割を占め最も多く、全体の分布でも昨年と大きな違いはない。
<現在のJ-REIT投資額> |
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5. J-REIT投資運用期間(予定含め)は?(n=投資経験あり483)
REITの運用期間は、例年同様に「5年以上」とする層が7割を占める。過去のアンケートでは、投資口価格の変動と投資期間に相関関係が見られた(投資口価格の変動が大きいと、投資期間が短い)。しかし2020年はコロナ禍の影響を受け3月に急落する場面もあったが、投資口価格の変動を受けても投資期間に大きな変化は見られない。
6. 今後J-REIT投資額を金融資産全体の何%にしたい?(n=投資経験あり483)
REIT投資額を金融資産の「20~40%にしたい」とする層が全体の3分の1を占め最も高い。設問4の現在の投資額と比較すると、「20%未満」にしたい層が減少する一方、「20~40%」「40~60%」「60~80%」がいずれも増加している点から、現在よりもREIT投資比率を高めたい意向。
一方、昨年と比較すると「20%未満にしたい」が7%増加する一方、「20~40%にしたい」が3%減少している。REIT投資比率を高めたいと考える割合が昨年より減少していることが分かる。
7. 今後投資したい用途は?(n=投資経験あり483、延回答数2,433)
今後投資したい用途として、コロナ禍のマイナス影響を最も受けにくい「物流施設」が最も多く、以降コロナ禍の影響を反映した結果となった。
8. 売却しよう(もしくは売却した)とする要因は?(n=投資経験あり483、回答数=1,293)
REITの売却要因は、例年同様に「売却益の確定」が最も多く、投資口価格が上昇すれば売却してキャピタルゲインを確定する動きが窺える。
昨年は投資口市況が好調であったため「売却予定はない」とする層が多かったが、2020年は投資口市況の変調を背景に後退した。
一方、「分配金の減少」「投資口価格の下落」がランクアップしている点から、コロナ禍による業績低迷及び価格下落がREITの売却要因にもなっている。
9. J-REIT個別銘柄に投資しない理由は?(n=投資経験なし18)
REIT投資未経験者がREIT個別銘柄に投資しない理由として、「REITの投資信託やETFに投資する」「コロナ禍の影響を懸念」「資金不足」が最も多く三分した。次点に「不動産及びREIT市況に対する懸念」、続いて「元本保証でない」「利益相反懸念」等、REITの商品性に対する懸念に大別できる。
10. 今後J-REITに投資したい?(n=投資経験なし18)
REIT投資未経験者のうち半数が「REIT個別銘柄に投資したい」意向。昨年はREITの投資信託やETFに投資したいとする層が48%と最も多かったが、2020年は投資信託・ETFへ投資したいとする層が33%に減少した。背景として、コロナ禍による用途及び銘柄の業績格差が大きくなったため、投資家自ら銘柄を選択したいとする意向が強まったと推測できる。
一方、「今後もREIT投資はしない」とする割合が、昨年の7%から17%へ大きく上昇した。設問9からも、コロナ禍による影響を見極めたいと考える投資家が多いと考えられる。
11. J-REIT投資(または追加投資)するために望むことは?(n=501、延回答数1,982)
REIT投資をする上で最も期待することは「1口当たり分配金の成長」と、例年同様の結果となった。一方、昨年は投資口価格の上昇を背景に、2番目に「分配金利回りの上昇(投資口価格の下落)」がランクしたが、2020年は「1口当たり分配金の安定」が大きくランクアップした。コロナ禍を背景に業績の安定を期待する層が急増していることが分かる。
また投資口価格への期待よりも、財務の安定性を求める層が多く、投資家が成長よりも保守的な姿勢を求めていることも窺える。
12. 皆様からのご意見(抜粋)
本アンケートに関するお問い合わせ: JAPAN-REIT.COM運営事務局(アイビー総研株式会社 03-5405-9525 info@ibrc.jp)
1 | 新宿三井ビルディング | 1,700億円 |
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2 | 飯田橋グラン・ブルーム | 1,389億円 |
3 | 六本木ヒルズ森タワー | 1,154億円 |
4 | 汐留ビルディング | 1,069億円 |
5 | 東京汐留ビルディング | 825億円 |
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