グローバル・ワンは「近・新・大」、すなわち「近(立地の優れた物件)、「新(築年数の浅い物件)」、そして「大(大型の物件)」への投資に特化するというモチーフのもとに組成されたJ-REITだ。Aクラスの資産に投資するという原則のもと、投資物件は、大手町、銀座や青山など、都心のビジネス街や商業地にあるオフィスビルが中心である。また、投資家と投資法人関係者の「利益相反の排除」を最重要のポリシーとして、どの企業グループにも属さないように注意が払われている。
2008年の世界金融危機による日本企業のリストラの影響を大きく受けたものの、この問題をようやく消化し、新たな成長路線に移る可能性が出てきた。金融危機当時は、この投資法人はAクラスのオフィスビルに投資していたことから、テナントの賃料がもともと高く、その分だけ賃料の引き下げ要請が強まった。また、各企業がリストラにより部署の閉鎖や統合を実施した結果、大型テナントの退出も目立った。しかし、金融危機の影響が後退したうえ、アベノミクスによるデフレ脱却と円安により、足下では、日本企業は国内回帰の姿勢を示している。その結果、同投資法人が保有する一流物件が見直され、さらに賃料の上昇から、内部成長が期待できる状況になってきた。
ただし、TK南青山ビルだけで、投資比率が2割を超えるなど、ポートフォリオの分散は十分ではないとの指摘もある。一等地にあることで、高額物件が多いことが背景にある。それだけに不動産相場や、景気動向にともなうテナントの経営状態の影響を受けやすく、株価のボラティリティ(株価の変動性)が大きくなりやすい点には留意しておく必要があろう。
主要な投資物件を見よう。首都機能を担う地区のオフィス物件が中心であり、高額の物件が多い。
物件1
物件2
物件3
物件4
物件5
2015年02月13日時点
項目 | データ |
---|---|
銘柄名 | グローバル・ワン不動産投資法人 |
略号 | GOR |
コード | 8958 |
設立 | 2003年4月 |
上場 | 2003年9月 |
決算 | 3月・9月 |
運用会社 | グローバル・アライアンス・リアルティ株式会社 |
資産管理会社 | 三菱UFJ信託銀行株式会社 |
投資対象 | 三大都市圏中心のオフィス・レジデンスビル |
系列 | 明治生命、三菱UFJ、近鉄など分散 |
総資産 | 1,756億円 |
純資産 | 764億円 |
投資口 | 193,800口 |
売買単位 | 1口 |
格付け | AA-(JCR) |
投資主 | 日本トラスティ・サービス信託銀行(22.59%) 資産管理サービス信託銀行(7.88%) |
主幹事証券 | 三菱UFJモルガン・スタンレー証券 |
※財務テータは2014年9月末時点
決算期 | 項目 | 単位 | 2010年 | 2011年 | 2012年 | 2013年 | 2014年 | 2015年 |
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3月 | 営業収益 | 百万円 | 4826 | 3,962 | 4,331 | 4,491 | 6,296 | 5,235 |
当期純利益 | 2022 | 1,142 | 1,347 | 1,403 | 2,079 | 2,022 | ||
1口当り分配金 | 円 | 20875 | 11,791 | 13,902 | 14,483 | 19,365 | 9,400 | |
9月 | 営業収益 | 百万円 | 4220 | 4,087 | 4,288 | 4,393 | 3,981 | ━ |
当期純利益 | 1370 | 1,082 | 1,273 | 1,286 | 1,173 | ━ | ||
1口当り分配金 | 円 | 14142 | 11,167 | 13,138 | 13,281 | 6,053 | ━ |
※15年3月期は会社予想
※15年9月期は市場予想
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1 | 新宿三井ビルディング | 1,700億円 |
---|---|---|
2 | 飯田橋グラン・ブルーム | 1,389億円 |
3 | 六本木ヒルズ森タワー | 1,154億円 |
4 | 汐留ビルディング | 1,069億円 |
5 | 東京汐留ビルディング | 825億円 |
1 | ヘルスケア&メディカル | +2.50% |
---|---|---|
2 | マリモ | +2.19% |
3 | インヴィンシブル | +2.13% |
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