ジャパンリアルエステイト投資法人は、日本ビルファンドとともに、日本市場での上場第1号として登場したREITである。時価総額と資産規模は業界第2位であり、日本のJ-REITを代表する銘柄と言える。三菱地所をスポンサーとして、首都圏の一等地にあるオフィスビルへの投資に特化している。
ジャパンリアルエステイトは、首都圏の一等地にある物件を中心に取得している。そのため、同REITは、いわば日本の地価(不動産収入)のインデックスともいえる存在だ。また、時価総額も業界2位であり流動性が比較的高いことから、日銀のREIT買い付けや、機関投資家のREIT投資などで組み入れられやすい銘柄である。
中期的には、アベノミクスによる日本経済への信認回復が支援材料になろう。たとえば、昨年の日本の貿易収支は赤字ながら、年の終盤にかけて輸出に回復基調がみられた。日銀の質的量的金融緩和を背景に、円安が趨勢的に維持されるとの見方が強まるにつれ、これまで国内での生産には慎重だった企業も、ようやく増産に移る兆しを見せている。また、新興国の人件費の上昇など海外生産のコストアップもあり、一部の大手企業で国内に生産拠点を戻す動きもある。このような状況は、国内のオフィス需要につながるとの期待感を醸成する。
さらに、米国では、金融緩和局面が終了したとして、米国に集まった資金が国外に分散投資され始めている。その際に、景気が回復する一方、円安で割安感が強まった日本に対して、その資金が流入するとの期待は高い。その際に不動産市場では、ブランドが高く、流動性の高い物件がターゲットになりやすい。そのような物件をジャパンリアルエステイトが保有していることは、投資口価格を支えることになろう。
ただし、同社が保守的な運用方針を示していることが、投資口価格の重しとなることが予想される。同法人は、LTV(総資産有利子負債比率)を30%台に維持する方針を示しているが、実際のLTVはその上限水準にある。そこで、この比率を引き下げながら、あらたな物件を取得するために、増資を実施することが想定される。とりわけ同社の取得物件は大型となるケースが多いことから、増資をする際には、その規模が大きくなることが考えられる。すなわち、投資口の希薄化(投資口の増加による価格の低下)が起こるリスクには留意する必要がある。
ジャパンリアルエステイトの投資物件は、三菱地所が中心となって開発した首都圏のAクラスのオフィスビルに特化している。とりわけ、東京のオフィス街の中心に位置する物件が多い。また、三菱系の大手企業の入居が多いことから、安定した収入が期待されている。
物件1
物件2
物件3
物件4
物件5
2015年02月20日時点
項目 | データ |
---|---|
銘柄名 | ジャパンリアルエステイト投資法人 |
略号 | JRE |
コード | 8952 |
設立 | 2001年5月 |
上場 | 2001年9月 |
決算 | 3月・9月 |
運用会社 | ジャパンリアルエステイトアセットマネジメント株式会社 |
資産管理会社 | 三井住友信託銀行 |
投資対象 | 全国主要都市のオフィスビル |
系列 | 三菱地所 |
総資産 | 8,139.31億円 |
純資産 | 4,366.22億円 |
投資口 | 1,251,530口 |
時価 | 583,000 円(15年2月20日) |
時価総額 | 7,296.42億円(15年2月13日) |
52週高値 | 650,000円(15年1月19日) |
52週安値 | 502,000円(14年3月27日) |
売買単位 | 1口 |
格付け | A+(S&P・長期)、A1(ムーディーズ)、AA(R&I) |
投資主 | 日本トラスティ・サービス信託銀行(17.21%) 資産管理サービス信託銀行(8.18%) |
主幹事証券 | SMBC日興証券 |
※財務テータは2014年9月末時点
決算期 | 項目 | 単位 | 2010年 | 2011年 | 2012年 | 2013年 | 2014年 | 2015年 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
3月 | 営業収益 | 百万円 | 21,665 | 22,135 | 24,069 | 25,375 | 26,582 | 28,070 |
当期純利益 | 8,875 | 7,662 | 8,934 | 8,824 | 9,070 | 9,570 | ||
1口当り分配金 | 円 | 18,043 | 15,642 | 16,190 | 15,140 | 7,633 | 7,650 | |
9月 | 営業収益 | 百万円 | 22,112 | 22,829 | 24,222 | 26,225 | 27,760 | 28,440 |
当期純利益 | 8,134 | 8,268 | 8,448 | 9,129 | 9,572 | 9,740 | ||
1口当り分配金 | 円 | 16,628 | 16,901 | 15,700 | 15,336 | 7,648 | 7,780 |
※15年は会社予想
※14年1月1日付で投資口1口当たり2口の割合による投資口の分割が実施された。
PR
PR
1 | 新宿三井ビルディング | 1,700億円 |
---|---|---|
2 | 飯田橋グラン・ブルーム | 1,389億円 |
3 | 六本木ヒルズ森タワー | 1,154億円 |
4 | 汐留ビルディング | 1,069億円 |
5 | 東京汐留ビルディング | 825億円 |
1 | ヘルスケア&メディカル | +2.50% |
---|---|---|
2 | マリモ | +2.19% |
3 | インヴィンシブル | +2.13% |
* 当サイトはJ-REIT(不動産投資信託)の情報提供を目的としており、投資勧誘を目的としておりません。 * 当サイトの情報には万全を期しておりますがその内容を保証するものではなくまた予告なしに内容が変わる(変更・削除)することがあります。 * 当サイトの情報については、利用者の責任の下に行うこととし、当社はこれに係わる一切の責任を負うものではありません。 * 当サイトに記載されている情報の著作権は当社に帰属します。当該情報の無断での使用(転用・複製等)を禁じます。